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大学のレポートで書いたものの一部です。
興味ある方だけどうぞ。 --------------------------------------------------------------- [ICタグについて] ・ICタグとはどのようなものか ICタグとは1ミリ以下のICチップを搭載したタグのことを呼ぶ。RFID(Radio Frequency ID)や無線タグ、電子タグとも呼ばれている。乗車券や電子マネーとしての利用で有名なSuicaやEdyなどのICカードと同じ技術が、このICタグにも使われている。 アンテナを搭載しており、リーダーやライターで電波を送受信し、読み書きすることができる。書き込みは繰り返し行うことができる。ほとんどのICタグはバッテリを内蔵しておらず、リーダーやライターから発する電波を受信し、それを電磁誘導などの仕組みで電流を発生させる。このような仕組みで電力を得ることで、バッテリを搭載せず、小型化を実現している。ICタグの形状としては、コイン型、棒型、カード型、紙やシールに挟むラベル型などが存在する。また、電池を内蔵しているタグもあり、それをアクティブタグ、反対に内蔵していないタグをパッシブタグと言う。アクティブタグは電池を内蔵している分、複雑なアプリケーションを動かすことが可能になっている。 国内で利用されているICタグの周波数は主に135Khz・13.56Mhz・2.45Ghzの3種類。最も利用されているは13.56Mhzの周波数帯で、通信可能距離は1メートル。ノイズやほかの無線との混線が少ないのが特徴である。135KhzのICタグも利用されているが、この周波数の通信距離は1メートル未満と短い。2.45Ghzの周波数帯では、2メートルまで通信が可能となっている。欧米での実験で多く使われるUHF帯は、通信可能距離が7メートルと長い。しかし、日本ではUHF帯は携帯電話の電波として使用されているため、ICタグでの使用は許可されていない。 ICタグはバーコードの次世代版として考えられている。それには以下のような理由がある。 1) バーコードで保存できる情報量が数十桁なのに対し、ICタグでは数千桁以上の情報を保存することができる。 2) 書き込みを繰り返し行える。 3) 同時複数のタグにアクセスできる。 4) 表面が汚れていても正常に通信が行える。 5) ケースなどに入っている状態でも情報のやりとりができる。 ・ICタグの利用法 導入が考えられているのは、主に販売業と流通業の分野である。 販売業においては、商品一つ一つにこのICタグを取り付けることによって、より詳細な商品管理が可能になる。従来のバーコードと同様の使い方をするほか、陳列棚にリーダーを取り付けることによって、消費者が手に取って戻した回数を計測することなどもできる。また、消費者が商品を選ぶときにリード機能を持つ端末などを持つことで、各商品の生産地の情報や出荷日、またそれが食料品であればレシピを表示するなど、多くの情報を提供できる。精算の時には、(同時複数のタグにアクセスできるので)一瞬で計算し、レジに並ぶことも少なくなるだろう。洋服などにICタグを取り付けてば、試着した回数などを計測する、といったこともでき、また洋服なので精算時にIDタグの取り外しができ、再利用もできるので、コストの削減になる。 大きく期待されているのが書籍への利用である。現在、書店において、万引きの被害が深刻になっている。店の出口で未購入の商品が通った時に警報が鳴るシステムへの利用はもちろん、盗品を転売しようとしてもICタグを読み込むことで未購入であることがわかり、防ぐことができる。 そのほかにも、カード・免許証・パスポートなどに埋め込み、個人の照会に使用したり、ブランド品の偽造を防止するなどの利用法が考えられている。 流通業においては、商品や荷物、車両などにICタグを取り付け、ICタグを読むいくつかの拠点を設置することで、現在の商品の位置だとか、それがどのようなルートを通って配送されたものか、ということがわかるようになる。また流通業におけるICタグの利用はSCM(サプライチェーンマネジメント)の強化になると言われている。 SCM: 製造、流通、販売までの一連の流れを中央で管理することで、経営判断の迅速化を るもの。製造から販売までに生じる無駄を無くすことができる。 ・ICタグの課題 課題は主に3つある。UHF帯の利用、価格、そしてプライバシーである。 まずUHF帯の利用についてだが、「日本国内ではUHF帯の利用は許可されていない」と前述したが、2003年3月にKDDIが一部のサービスを停止したため、今年2005年3月よりUHF帯の中の950M~956MHzの周波数が利用可能になる予定である。UHF帯を利用することで、前述したように通信可能距離が伸びる。そのことでより多くの場面で利用できるようになる。またUHF帯では、電波が物体の裏に回りこむ性質があるので、物が煩雑においてある倉庫などでも、安定して読むことができる。 次に価格であるが、現在のICタグ一つの価格は安価なものでも数十円ほどであり、高い。この価格では、高価な商品や外して再利用できる商品への利用しかできず、とても全部の商品に取り付けられるような価格ではない。技術が進み、安価になるまでは一部でのみ使われるだろう。 最後にプライバシーの問題である。ICタグの付いた商品を買い、それを持っていることでリーダーからICタグを読まれ、その人がいつどこで何を買ったか、ということが第三者にわかってしまうのだ。またICタグを利用して企業側あ集めた個人情報の漏洩なども危険視されている。前者においては、通信の暗号化や、購入時にICタグの中の情報を削除するなどの対策が考えられている。しかし、利用者の不安を払拭するには至らないであろう。実際に、外国で行われた実験において、抗議があり実験が中止になったこともある。 ・ICタグの将来 前述のように、これからICタグは低価格化が進み本格的に導入されることになる。今年の2005年から一般的に認知され始め、2007年前後から経済波及効果が拡大すると見られている。その経済波及効果は2010年で最大31兆円にも上ると予測されている。 国内において活動しているICタグ関連の団体として、ユビキタスIDセンターとオートIDセンターがある。現在、この2団体がICタグの標準規格作りを進めており、この標準規格が決定されると、ICタグの普及が加速されるはずだ。
by ll-ke-ll
| 2005-01-15 00:26
| 雑記
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